多くの卸売市場は、一次問屋的な役割を持つ卸売業者、二次問屋的な仲卸業者という2段階制の仕組みをとっています。
卸は出荷者の「販売代理人」
農家や農協の人が「市場に出荷する」と言うとき、その荷を受取るのはほとんどの場合、卸売業者となります。そのため、「荷受(にうけ)」と呼ばれることもあります。
ここでポイントなのが、農家や農協は卸売業者に販売を委託しているということ。卸売業者は農家や農協に代わって、仲卸やスーパーなどにセリや事前の商談を通じて販売。その売上げの中から手数料を受け取ります。
こうした委託販売が主流ではありますが、卸売業者が買い取って販売するケースが年々増えています。これは、自社の利益アップや、オリジナリティの高い商品の仕入などを目的としています。
仲卸は顧客の「仕入代理人」
仲卸業者は、スーパーや青果店、外食店などから注文を受けた野菜・果物を仕入れ、販売します。仕入れは、所属する市場の卸売業者だけでなく、他の市場や農家、農協などから直接行うこともあります。
仲卸は、単に仕入れた商品をそのまま販売しているわけではありません。スーパーの要望に応じて小分け、袋詰め、半分に切るなどの一次加工や、店舗などへの配送も請負います。
卸売市場ではこのような2段階の体制で、産地と消費者をつなげます。ちなみに、この仕組みは日本特有のもので、欧米などにはありません。例外的に、日本の制度を取り入れて卸売市場制度を作った韓国と台湾にみられるくらいです。