「働き方改革」とは? 多様な働き方に対応し仕事への意欲向上、業績アップへ

働き方改革のポイント1 コラム

いろどり社会保険労務士事務所
代表・内川真彩美氏

選ばれる会社になる 働き方改革のポイント1

 「青果卸売市場業者にも働き方改革が必要」というのは、業界の共通認識です。求職者や自社の従業員に選ばれる会社になるには実践したいところ。
 しかし、注意するポイントや手順などが「わからない」という業者が多いのではないでしょうか。

 そこで、社会保険労務士として企業の支援を行う内川真彩美氏が、連載で基本の解説から実践に向けたアドバイスを行っていきます(月1回掲載予定)。
※「やっちゃばジョブ」を運営する農経新聞社の『農経新聞』掲載記事を再構成したものです。

この記事のポイント

◎働き方改革が注目されるようになった背景は「労働力不足」と「働き方のニーズの多様化」

◎政府が出した3つの指針 ①長時間労働の是正 ②多様で柔軟な働き方の実現 ③公正な待遇の確保


 初めまして。社会保険労務士の内川と申します。
 私たちは、企業における「ヒト」に関するプロ。採用から教育、評価、定着、退職など、人を雇うことで発生する問題や悩みを、企業に伴走しながら解決しています。

 数年前から業界や企業規模を問わず「働き方改革」が注目されています。
 さて、働き方改革とは何でしょうか。労働者の権利をより尊重するためのものでしょうか。答えはノーです。 

働き方改革 注目の背景に「労働力不足」「働き方のニーズの多様化」

 働き方改革が始まった背景は、「労働力不足」と「働き方のニーズの多様化」です。
 ご存じのように、少子高齢化により人口は減少し続けています。それに加え、共働き世帯の育児、高齢化による家族の介護など、仕事と生活の両立が求められる社会になりました。

 かつては、男性が働き、女性が家を守る、との役割分担が強かったため両立の必要性が薄かったものの、今や共働き世帯の増加で仕事と生活の両立が重視されるようになりました。
 当然、生活は人それぞれですから、「どれくらい働きたいのか」「どのように働きたいか」というニーズも多様化しています。

社会の変化に企業も対応を 改革へ政府が3つの指針

 厚生労働省は働き方改革のことを「働く人の置かれた事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、より良い将来の展望を持てるようにすることを目指したもの」と説明しています。
 それぞれが求める働き方ができれば、仕事への意欲も上がり、結果、企業の売上や利益の増加にも寄与しますよね、という考え方です。

 社会の変化は、コロナ禍も相まって加速しました。社会が変わり人々の考え方やニーズも変わったのであれば、働く場所(=企業)も変わらなければ存続できません。
 そこで政府は、対応指針を3つ出しました。これこそが、働き方改革の指針です。

 1つ目は、長時間労働の是正です。朝から夜まで休みなく長時間働いていると、当然、多様な働き方に対応できません。

 2つ目は、多様で柔軟な働き方の実現です。
 人口減少により、今後、採用はさらに難しくなります。そのような中、子育て、介護、治療、家族の転勤のように、生活の変化があった時でも働ける仕組みを整備しておけば、優秀な人材の離職を防げます。
 さらに、過去に生活の変化で離職した人も仕事に復帰しやすくなります。

 3つ目は、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保です。
 現在、働いている人の約4割が非正規雇用ですが、その賃金は正規雇用と比較すると7割を下回っています。7割もの待遇差がある状態で、仕事への意欲が上がるでしょうか。
 この待遇差の改善により、皆の働く意欲の向上を目指しています。

 このように、働き方改革は、働く人の意欲を向上させることで効率良く働いてもらい、企業の売上や利益増加に繋げ、企業存続を目指すためのものです。

 終身雇用制度も崩壊し、転職も珍しくなくなりました。皆、入社時だけでなく、「この企業で働き続けるべきか」と自身の働く場所を日々選び続けています。
 企業が選ばれ続けるためには、社会の変化を敏感に察知し対応する姿勢が重要なのです。

 ところで近年、睡眠を経営戦略の1つに掲げる企業が増えているのをご存じでしょうか。次回は、この「睡眠」の観点から働き方改革を考えます。

筆者紹介 いろどり社会保険労務士事務所 代表内川真彩美氏

内川真彩美氏
内川真彩美氏

特定社会保険労務士。約8年半、IT企業でシステム開発に従事した後、社会保険労務士として開業。現在は前職の経験を活かしながら、企業の制度設計や働きやすい組織作りの支援を行っている。企業ウェブサイトや雑誌などへの執筆、講演多数。

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